わたしの推し・絵本作家えがしらみちこ
特別お題「わたしの推し」に参加するほど推す人いないよなぁ-、と思っていたら、子どもが本棚からもってきた絵本に「あっ、いたわ」。
ふと立ち寄った本屋でその絵本に出会った。
えがしらみちこ『あのね あのね』
やわらかい水彩画で描かれた、楽しそうに自転車に乗る母と息子の表紙。
本屋のポップには、新入学を迎える親子へのオススメとして書かれていた。
見本の1冊を手にとって眺めた。
「ママ、あのね」
幼稚園か保育園からの帰り道の、親子の会話。
つたない子どもの表現をくみ取って、会話を続ける親の姿。
ダメだ、これー!
涙腺崩壊。
人生初、本屋の立ち読みで号泣。
2019年、私ははじめて妊娠した。
30代後半、まさか妊娠するとは思っていなかった。
バチがあたりそうな話だが、妊娠した喜びはほとんどなく、検診で仕事を休むことにマタハラまがいの扱いを受け、出産後に早急に職場復帰することばかり考えていた。
もともと子どもと動物は「どう接したらいいかわからない」という意味で苦手だった。
友人の子どもも、数時間眺めているのはかわいいけど、これが毎日じゃちょっとね、と思っていた。
そんな中で出会った絵本だった。
子どもが生まれたら、電車に乗って大型書店に行くことなんてそうそうできないんだろうな。
できなくなることばかり考えてたときだった。
4歳くらいかなぁ。こんな感じになるのかなぁ。
はじめておなかの中の子と、自分の未来を思い描いて楽しい気分になることができた。
こんな親になりたい。
はじめて自分が親になるのだ、と思えた瞬間だった。
そのときおなかの中にいた子も、もうすぐ2歳4ヶ月。
「かじゅしぇんしぇい、みっちーまうしゅのポポロちゅけてたの」
この絵本に出会ってなかったら、ポポロってなんや!?はっきりしゃべらんかい!と、思っていたかもしれない。
「かず先生、ミッキーマウスのエプロンつけてたのね?」
バレーボールのリベロのごとく、会話を拾って返せるようになってきた。
三島にえがしらさんの妹さんが営む、その名も『えほんやさん』があって、行ってみたときに偶然ご本人に会うことができた。
いい意味でオーラがなく、ほがらかであたたかく、やさしい雰囲気の人柄。
育児のセンパイママさんとして、すてきな方だなぁーと思った。
その場で買った絵本1冊1冊にサインをいれていただき、万一ご本人に会えたら…と持参した『あのねあのね』にもサインをいただいた。
私の名前でサインをいれてもらうつもりが、うっかり話に夢中になって、子どもの名前でサインを書かれてしまったのは痛恨の極みだったが、ぜひまた三島に遠足に行ってお会いしたいものだ。
えがしらさんの本はその後も買い続けている。
ママ向けの本、『あなたのことがだいすき』も何度も読んでいる。
子どもの行動にイライラしそうになったとき、イライラしてしまったとき、救いの1冊になっている。
こんな親になれたら。
そう思わせてくれるお手本のママさんは、えがしらさんの絵本の中にたくさんいる。
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