mimiriのブログ~要領悪くても終わればいいさ~

アラフォーで子ども2人出産し、日々の思うことを書いてます

「育ちのいい人」と「お嬢様」

2歳3ヶ月のH1号は、このところ食事の時にエプロンをつけたがらなくなった。

もうとりあえず何でもいいや、と手近にあったティッシュを取って、洋服の首元にナプキンのように挟んでみたら、思いの外気に入ったようで、以来「ティッシュー、お首にー」と言って食事をしている。

 

首にナプキン、というフレンチ料理でも食べるときのようなお上品さ(フレンチ食べるときに実際はしないけど)そして「お首に」という言い回しに、「お嬢様みたいだね」と言いながらティッシュをつけてあげたところ、これまた思いの外「お嬢様」ということばも気に入ったようで、「おじょーしゃまー」と言いながらキャッキャと笑う。

 

「お首」とお上品な言葉を私と夫が無意識にも使っているはずがないので、保育園で先生が言っているとしか思えない。お育ちのいい先生がいらっしゃるんだな、と思っていたところ、電車でたまたま『「育ちがいい人」だけが知っていること」という本の広告が目にとまった。

 

早速図書館で予約しようとしたら、900人以上待っている状態。

これは手元に来るまでに2年くらいかかるわな…と思いつつ、とりあえず予約はするとして、ネットで数ページ立ち読みできるサイトがあったので、ぱらぱら見てみた。

 

たまたま見たページに書かれていたことは、「それでお育ちいいって言ってもらえるのか、案外お育ちいいんじゃん、私!?」などと勘違いしそうだったが、挨拶に関することとか、立ち振る舞いとか、小学校のお受験をしなくとも子育てする上で大事なことなので、私自身できているか見直すいい機会だと思った。

 

お育ちがいいかどうかは別として、そもそも品のある行動をとれることは大人としてとても大事で、もはや若くも何ともない年齢になって「できていないと恥ずかしいこと」も多々あると思われる。

つい最近も無意識に食事中に箸先があがっているのを、夫に「子どもの目に当たりそうだし、そもそも見苦しい」と言われた。一刻も早くこの本を手にした方がいいかしら、と思いつつ、これ以上本は増やしたくないので買わずに予約を待つことにした。

 

予約の本が手元に来る頃、H1号はどんな「お嬢さん」になっているだろう。

 

「おじょーしゃま」とオウム返ししていただけのH1号だったが、意味もわからず用語を使うことに疑問を持ったか、「おじょーしゃま、なーに?」と聞いてきた。

とっさに説明できないでいると、夫が「お金持ちのおうちの女の子のことだよ」と教えた。

たしかにそうね。そうなのよ。だからうちは本物のお嬢様にはなれないのよ。

 

でもお金以外のところではどうにかなることもあると思うのよ。お金持ちでなくても「育ちがいい人」にはきっとなれるのよ。そうでないと悲しいじゃないの。

 

そう思ってざくっと検索したら、「育ちのいい人の特徴」について色々でてきた。

・丁寧な会話(言葉遣い、大声で話さない)

・常識やマナーのある行動(お箸の持ち方、礼儀作法)

・上品な所作(品の良い落ち着いた行動、姿勢がいい)

・挨拶ができる

・悪口を言わない

・気配りができる(相手への思いやり)

・身だしなみが整っている

・余裕がある(自分のことでいっぱいいっぱいにならない)

・笑顔が自然

などなど。

見た目と中身。どちらも大事。といったところか…。こりゃ大変だな。

「育ちがいい」の明確な定義はないらしいので、「あくまで印象」なんだな。自分自身がこういう人と一緒にいると心地がいいので、そうなれるように気をつけよう。

 

結局、「あくまで印象」ではあるんだけど、「周りの目が気になるから、育ちのいい人になろう」のではなくて、「自分自身が心地良く人生を送るために、『育ちがいい状態』で過ごす」のが一番だという気がしてきた。

 

植物もいい環境だとよく育つ。それと一緒。

適度な温度と光があって、適度に水分があって、適度に風通しがよい。

おうちでいうと、適度にあたたかくて明るくて、適度に食事があって、適度に会話がある。あれこれ頑張らなくても、なんかそれでいい気がしてきた。

 

そういえば以前父に、「お嬢様に育てたかったが、失敗した」と言われたことがあった。

待て待て。

母は天然ではあるが「お嬢様」ではないから(「お嬢様」がたいてい天然キャラであろうというのはあくまでも私のイメージ)、奥さんを選ぶところからして「失敗」していませんか、おとうさま。

亡くなった同居のうちの祖母(父の母)はおいしいものを食べると「うまかった~うしまけた~」と妙なリズムで歌うような人じゃないですか。「おいしゅうございます」な家でもないのに、どうやってお嬢様が育つと思っていたんですか、おとうさま。

そもそもうちはお金持ちじゃないですよね、おとうさま。

 

だけど、母は自分の軸をしっかりもった人で、料理が得意でとても明るい。

亡くなった祖母も明るい人で、お葬式は家族葬で香典はお断りスタイルにしたのに、聞きつけた近所の人が葬儀にたくさん来て涙してくださったので、結果的に家族葬でなくなった。

私は、そんな二人を、私に命のバトンをつないでくれた女性として尊敬している。

なにより、明るくて、いつも何品も食事があって、会話にあふれた家で育ててもらった。

 

おとうさま、あなたのムスメはお嬢様にはなれませんでしたが、お育ちはどうでしょうかね。

年末に実家に帰ったら、そんな話をしてみよう。

 

#育ちのいい人

#お嬢様