mimiriのブログ~要領悪くても終わればいいさ~

アラフォーで子ども2人出産し、日々の思うことを書いてます

【読書ノート】ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。

フミコフミオさんの『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』を読んだ。

作家でも芸能人でもなくて「フツーの人」、ということなので、あえてさん付けにする。

 

おもしろすぎる。日常が書かれているだけなのにおもしろい。電車の中でニヤニヤ笑ってしまう。マスク、バンザイ。塗りたくもない口紅を塗らなくてもいいこと並にマスクの有用性に気づいた。

 

もともとプロフィールを見て、親近感を持っていた。神奈川県民でありながら、ベイスターズではなくスワローズファン。それだけで充分すぎるほど共感できそうなニオイがしていた。たまたま出会ったフミコフミオさんのブログ記事は本当におもしろかった。サラリーマンのサエない日常、とのことだったが、内容にすごく共感した。そのブログの内容が1冊の本になりました、というんだから私に合わないはずがない。本のほうがパソコンで見るよりも目が疲れない。夜中に読んでもブルーライトに悩まされることがない。ありがたい限り。

 

あとがきを読んで、おもいがけず泣いた。

バカなりに生きてきた。ならば私にだってできると明るく笑っていただければうれしい。

誰でもが自分で自分を守る自分だけのヒーローにはなれる。一人よがりでも死ぬよりはマシ。1度きりの人生だから、自分だけのヒーローになってしぶとく生き抜こう。

それぞれの戦い方を見つけて生きていけばいい。

 

あぁ、こんなセンパイが会社にいてくれたら。20代で出会っていたら。

「え、キミ神奈川出身なのにツバメファンなの?あーそー じゃー今度会社の帰りに何人かで神宮行くー?もしよかったらの話で、早く上がれる都合が合う日があれば、だけど」的にライトなノリで野球観戦のお誘いをいただいたら、よほど生理的にムリな物理的なニオイでもしない限りお誘いをありがたく受けただろう。

数人で野球観戦して、帰りの方向が一緒なのが二人きりだったりして、仕事の悩みとか聞いていただいて、何度かそんなことをしているうちにすっかり胸キュンモードになってしまったかもしれない。

ご結婚されていたとしても、奥様との日々の生活のグチを聞いて「フミコさん、たいへんそう…」などと言っているうちに渡ってはいけない禁断の橋に足をかけてしまったかもしれない。

妄想が止まらない。

 

ライトなお誘いを掃いて捨てるほど、とまではいかずともそれなりにいただいていた20代から、干支がぐるりと一周ちょっと回って生きてきた今はわかる。私は、キラキラな愛され女子ではなくて、ドロドロのサラリーマンだった。中年にさしかかっている今、「一部の中年男性サラリーマンから絶大な人気がある」というフミコフミオさんの日常に「わかるー」「ウケるー」なのは、自分の中身がキラキラなアラフォーなのではなくて、中年サラリーマンだから。胸キュンと共感を混同してはいけない。混ぜるな、危険。

 

ブログを書くようになって、投稿の最後をどう締めくくるかしっくりこないな、と思いながら書くことが多いことに気づき始めた。

作家のエッセイにしろ、上手だなと感じるブログの投稿の共通項は、終わり方がまとまっていたり、美しかったり、なるほどね!と思わせるところにある気がする。そう気づかせてもらったので、これからはエッセイの読み方も内容への共感だけじゃないようにしたい。

 

文章は難しい。でも書いていくことにきっと意味がある。しょせんシロウトなんだから、そんなに構える必要なんてない。感じたこと、考えたことを形にしていくために、書く。水蒸気を集めて雲ができるような感じ。フミコフミオさんが『神・文章術』で書いていたとおり、まずは書く。技術はあとで考えればいい。そのとおりだと思う。

 

家族は小説より奇なり。たぶん、そう。ほんと、そう。地雷踏まずに生きてくれようとするダンナさまをお持ちのフミコフミオさんの奥様が心からうらやましい。夫が埋めた地雷だらけの我が家の床をみて思う。アナタの衛生観念にはついていけないのよ。洗いたての洗濯物なんて、空中で畳まなくたって、床で畳んだって死にはしないのよ。乾いたタオルは空中ブランコ方式で畳まれなくても、乾いているというただそれだけでもうすでに存在意義があるじゃないの。

 

私も書こう。世の中は不条理なことだらけだけど、知りたいこともたくさんある。書いてみたいな、と思ったら、知りたいことも見つかってきた。アンテナが立ってきた。死んでる場合じゃない。

 

そう思った途端にポックリいかないように、横断歩道で車にはねられないように、駅の階段であわててすべってアタマ打たないように、日常生活いろいろ気をつけよう。